
ベスさん(左)とアイルトンさん(右)

『デカセギ』

ロベルト・マックスウェル監督
映画祭8日目の目玉、ブラジルプログラムには、
「サンパウロ国際映画祭」ディレクターで、2006年にはSSFFの審査員も務めてくださったベス・サフレーレ(Ms.Beth Safreire)さん、
「リオデジャネイロ国際映画祭」ディレクターのアイルトン・フランコ・ジュニア(Mr.Ailton Franco Jr.)さん、
ショートフィルム『デカセギ』のロベルト・マックスウェル(Mr.Roberto Maxwell)さん
がいらっしゃいました。
映画祭もクライマックス間近。お客さんも大入りで、会場内は満員となりました。
ゲストのお三方に、東野正剛・映画祭実行委員長がお話を伺います。
「そもそもブラジルで映画祭が始まったきっかけは?」との質問に、まずアイルトンさんは
「私がディレクターを務めるリオデジャネイロ国際映画祭は、今年で18回目を迎えます。
もともとは国内でショートフィルムを見ることができなかった、というところから始まっています。
以前はショーケースでやっていましたが、この5年くらいでコンペティションとしてやっています。今月の6月27日まで作品の応募を受け付けています。
International部門、National(ブラジル)部門、特別プログラム、それと学校とのタイアップで実施していますね。」
続いてベスさんは
「サンパウロ国際映画祭は、1989年から今年で19年目を迎えました。
当時は政府の支援がなく、そのときは監督らもお金がなかったため、みんな低予算で作れるショートフィルムを作りました。
その時期はショートフィルムの春と呼ばれ、そのときに映画祭が立ち上がり、ショートフィルムを見よう、というムーブメントが起こりました。
映画祭は8月の23日から9月の前半まで。今年の応募受付は終わってしまいましたが、来年にはぜひご応募ください」
とそれぞれ答えてくださいました。
ブラジルでは年に800~900本のショートフィルムが作られるのだとか。そのうちサンパウロ国際映画祭では250本ほどが取り上げるとのこと。
ベスさんに最近のショートフィルムのトレンドを尋ねると、
「本プログラムで上演された)「口づけ」のEsmir Filho監督は若手ですが、カンヌで2本の作品が入選しています。
ウォルター・サレスも以前入選していますし、今若い世代の監督がたくさん輩出されていますね。」とのことでした。
とここで、話題は監督のロベルトさんへバトンタッチ。東野さんが尋ねます。
「ロベルトさんは なぜ出稼ぎをテーマに選んだのですか?」
「2005年に日本に来て、政府の奨学金をもらい、日本における日系ブラジル人の研究をしました。その中で彼らのアイデンティティというものに興味を持ったのです。
ブラジルの日系人は150万人いて、そのうち32万人は在日です。果たしてその人たちのアイデンティティはどうなっているのでしょうか?
彼らは日本に来て、外国人として生きます。そのことに興味を持ったんですね。
そして私は2007年に静岡大学のマスターコースに入り、ブラジルの日系の子どものアイデンティティについて勉強しました。
映画は2005年に作り、そのときの私は日系の問題をあまり知りませんでしたが、ブラジル人と話をしながら映画を撮りはじめました」
淡々とした『デカセギ』は、自己のアイデンティティが問われる作品です。
会場の熱気もまだまだ冷めやらぬ中、プログラムはブラジルBへと続きます!